「ね、コレあげる」
「ん?なんで?コレ、大切にしてたやつだろ?」
「だって、ほら、もう時間じゃない」
「あ、ああ……そうか。そうだな。すべてはこの夜のために……」
男は女の肩を抱き寄せ、空を見上げた。
都市のビルの上、ゆるやかに黄金の月が登ると
重なりあう二人の影を焼き付けた。
男の手から、いつの間に折ったのか紙飛行機が夜空に放たれた。
闇の中、音もなく紙飛行機は滑空する。
空を見上げることなく進む人々の群れは、紙飛行機には気づかない。
紙飛行機はすぅーーーっと進み、群衆の頭すれすれまで降りてきた。
すると、スッと手が伸び、紙飛行機を掴んだ。
その瞬間……
ダッーーーーーーーーーーァァァアァァアアアアアンッーーー
激しい閃光と爆発音が辺りを包み、人々はやっと空を見上げた。
舞い上がるチリがまるで雪のように降りそそぐ。
その時、みつけたものは奇跡だったのか、幸運だったのか、それとも絶望だったのか……
人々はひとりで、もしくは愛しい人と、その夜をいつまでも見上げていた……
「ん?なんで?コレ、大切にしてたやつだろ?」
「だって、ほら、もう時間じゃない」
「あ、ああ……そうか。そうだな。すべてはこの夜のために……」
男は女の肩を抱き寄せ、空を見上げた。
都市のビルの上、ゆるやかに黄金の月が登ると
重なりあう二人の影を焼き付けた。
男の手から、いつの間に折ったのか紙飛行機が夜空に放たれた。
闇の中、音もなく紙飛行機は滑空する。
空を見上げることなく進む人々の群れは、紙飛行機には気づかない。
紙飛行機はすぅーーーっと進み、群衆の頭すれすれまで降りてきた。
すると、スッと手が伸び、紙飛行機を掴んだ。
その瞬間……
ダッーーーーーーーーーーァァァアァァアアアアアンッーーー
激しい閃光と爆発音が辺りを包み、人々はやっと空を見上げた。
舞い上がるチリがまるで雪のように降りそそぐ。
その時、みつけたものは奇跡だったのか、幸運だったのか、それとも絶望だったのか……
人々はひとりで、もしくは愛しい人と、その夜をいつまでも見上げていた……
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