……ジ……ジジジ……

「拓哉さん、なんか妙な連中がいますよ」
 
 拓哉のもとに仲間の一人、ケースケから連絡が入った。

「おい~お前ら~なんだよ~その格好は真っ黒じゃないか?ブラックサンタか?え?あう、うわ~~~~!」

 ガッ ガガ ガガガ……

 しかし、連絡の途中で、雑音が入ると、その声は途切れてしまった。

「ケースケ!ケースケ!どうした?おい!応答しろよ!」

 ……ジジ……ガガガ……

「クリスマスは中止だと、言っただろう?」

 ケースケの携帯から、ケースケ以外の声がした。

「だ、誰だ、お前は!」
「ツー ツー ツー 」

「おい、ケースケはどこへ向かっていたんだ?」
「たしか……なんでしたか、爆破地点を抜け、皇居を通ってサンシャイン60へ向かうってさっき連絡が入ってましたけど……」

 グループ通話で会話していた仲間の一人が返した。

「どーします?集合かけますか?」
「……いや、いい。俺が行く。その他の者は予定通りだ。でも、ケースケの言ってたブラックサンタっての見つけても近づくなよ!」
「りょーかい!っす」

「おい!そこのサンタ!待て!」

 走りだそうとした拓哉達を呼び止める声がした。
 日向だ。車を捨て歩いていた日向が拓也達を見つけ、呼び止めたのだ。

「あんた誰です?」
「刑事だ!」

 日向は、非番のくせに持っていた警察手帳を見せた。

「日向さん……刑事ったって、少年課じゃないですか。今は」
「お前、拓哉か?今度は自転車か」
「お久しぶりです」

 拓哉はゆっくりと自転車を前にすすめ、帽子を外してみせた。

「おー、なら話が早い。爆破はお前の仕業か?」
「まさか!違いますよ!」
「だろーな。とりあえず、俺だって刑事だから聞いただけだ」
「でも、お前、何か知ってるだろ?」
「いや、たいして知らないですよ。ただ、仲間のひとりが事故ったらしいので、探しに行く途中です」
「ほーう……俺も連れて行け!」
「無理っす。自転車の二人乗りは禁止されてます。それに、この自転車乗るトコないし」
「刑事である俺がニケツなんてするわけねーだろ!そこの、お前!自転車を警察に供与せよ!」
「たっくん、どうします?」
「拓哉に聞くな!刑事である俺に聞け!」
「……まあ、いいだろう。悪いがお前は歩いて爆破箇所を見てきてくれるか?」
「了解っす」
「あ、だけど日向さん、これだけは譲れませんよ」

 そういうと拓哉は日向の頭に赤い帽子をかぶせ、赤い服を放り投げた。

「な、なんだこりゃ!」
「我らがサンタ号に乗るなら、それなりの格好じゃなきゃダメってことですよ」
「グッ」

 拓哉と日向、ふたりのサンタクロースはサンシャイン60にむかって走りだした。





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