爆破宣言のキーワードに関する見解は、ほとんどひとつのことを指していた

「天空の樹は間違いなくスカイツリーだな」
「古い塔は東京タワーだろ?」
「ふたつが交わるところってドコだ?」
「東京駅のちょい上らしいぜ」
「太陽の輝きって……アレじゃね?ほらスカイツリーが出来た頃騒がれた」
「あ、ああ~スカイツリーと、東京タワー、サンシャイン60……の正三角形か」
「じゃあ、目は……皇居か!」
「でも、閉じるってなんだ?」

 それは、天空の樹=スカイツリーであり、古き塔=東京タワー、太陽の輝き=サンシャイン60だ。これらを結ぶと、正確な正三角形になるという噂が、スカイツリーが完成するころしきりに話題にのぼっていたのだ。

 そして、最後の一文の解釈はその立場によって正反対だった。すなわち、「人間というのはそれぞれ、ただ独りの気高き存在である」というものと「この宇宙でそれぞれが、けして交わることのないひとりぼっちの存在である」というものだった。

 いずれにせよ、だんだんと、『今日はやはり、何かが起こる』そんな気配に包まれていった。



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