エンジェルズ・ナイト(完結) 【クリスマス限定ラノベ?】

これは 「今」 だけの物語。クリスマスの夜、何かが起こるという噂が駆け巡る。それはよいことなのか?それとも悪いことなのか?噂は噂を呼び、その日を迎える。奇跡か?破滅か?その日、貴方は誰と、何を見ますか?

それは極々近い未来。クリスマスまであと一週間をきった頃の惑星、地球にて

(8)ヴォイス

§ヴォイス1 ミカとハルと放課後に ーーー

「で?ドコに連れてってくるのかな?」

 放課後、いつもはハズカシイからと、一緒に帰ることのないミカがハルのもとへ駆け寄ってきた。

「え?何?」
「オイ!ばかハルト!あんたが昨日言ったんでしょ!クリスマスの日一緒にいたいって!」
「あ、ああ。そうか、そうだった」

 もちろんハルは忘れているハズは無かった。しかし、思い切っての告白の後の今だから、なんとなく、緊張してしまっていた。それを知ってか、知らずかミカはいつもどおり腕を掴んだりしてきて、その胸が当たるのだ。

「……あんた、やる気あるの?」
「や、ヤル気だなんて……」
「おーい!なに赤くなってんのよ!変な想像するんなら行かないからね!」
「ウソ!ウソ!ウソ!冗談だよ」

 ハルは自分でも顔が火のように熱くなっているのを感じ、腕を払うと一生懸命真面目な顔をしてみせた。

「な、なんかさ、ほら、街に出ようよ。ヒルズのライトアップを見てさ、表参道行ったりしてさ」
「まさか……ノープランじゃないでしょうね?」
「い、いやあ。だってほら、誰だっけ、あのタクヤさんだっけ?街中でパーティやるとか言ってるやつ。それを目撃できたら、いいかなあ、なんて思ってさ」
「……ノープラン……」
「いや、もうひとつ、とっておきのプランがあるからさ。期待しててよ!」
「期待しないで待つわよ」




§ヴォイス2 コミュニティ『シェオル』
 ーーー

--いいかい?羽根を持たない僕らが飛ぶためには位置エネルギーが必要なんだ。
より高く、より遠くへ飛ぶためには、より高い場所こそ有利ってわけさ
その前に、我々には大事な使命がある。より多くの同胞、仲間たちにこのことを知らせるんだ。君たちは一人じゃない……と--



§ヴォイス3 都心のとあるバーにて
 ーーー

「それでタッくん何をするんだ?そろそろ時間がないぜ?」
「うーん、そうだなあ~どうしよう?」
「え?こ、この期に及んで何も考えてないとか?」
「い、いやあ、言ってりゃなんとかなる!ってのが俺のポリシーだからなあ、とりあえず、なんかある。何かが起こる!って言ってみんなを集めりゃなんとかなるって」
「えーーーーー本当に?」
「俺を信じろ!」
「そ、それを言われると……よっし!じゃ、片っ端から声をかけて回りますよ!」
「よし、そーしてくれ。あと、声を集めてくれ、どんな小さなくだらなそうな声でもいい、そーいった積み重ねが世界を動かすんだからな」
「了解っす!」



§ヴォイス4 郊外のアパートメント
 ーーー

「お兄ちゃん、今年はさ、出かけようよ!」
「で、でも……」
「大丈夫!別に高いお店で食事とか言わないからさ!」
「お家でクリスマスも素敵だけど、街にでたら、街のデコレーションすべてが私達のモノになるのよ!素敵じゃない?」
「よ、よし。分かった。そうしよう。母さんの見舞いの後でな」
「うん!」



§ヴォイス5 アフター5の刑事
 ーーー

「まったく、マコトだけ非番じゃ、どーしようもないわね」

 マコトとは日向刑事のファーストネームだ。

「言うなよ陽子……さん?」
「もう!ふざけてないで!しょうがないでしょ!楠瀬君に見つかったら、たちまち署内に広まってどちらかが別の場所に飛ばされちゃうんだから!」
「ん、ああ。そうだったな。俺とお前が付き合ってるだなんて楠瀬のバカは気づきもしないだろうがな……」
「まあ、何もなければパトロールを早く切り上げて、いつものところで、ね?」
「ああ、本当に、何もないとイイがな」





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登場人物紹介

ここでは自分のメモ的に?登場人物の紹介をしていきます。


◯謎の男女
 XーDayを見下ろす、その正体は誰だろうか?

●ミカ
 高校生。ハルと幼なじみ

●ハル
 高校生。ミカと幼なじみ。ミカに告白しクリスマスをともに過ごすことに。

●管理者D
 自殺系?コミュニティ『シェオル』管理者。正体不明。

●キキ
 コミュニティ『シェオル』参加者、女、ユウトと知り合い。

●ユウト
 コミュニティ『シェオル』参加者、男、キキと知り合い。

◯『シェオル』の参加者たち
 数十名以上いると思われる

●三上拓哉
 生きる伝説。宿なし無一文ながら絶大な人気を持つカリスマ。
 TOKYO CITYに一大イベントを仕掛けようとしている?

◯拓哉の取り巻き
 強烈なカリスマである拓哉をに傾倒する者達


●翔太
 父が不在の中、妹を支える心優しき兄。推定20歳。年中貧乏であるが、それに負けない元気さを持っている。

●奈美
 翔太の妹の高校生。吹奏楽部。この歳にしては珍しいほどの純粋さを持っている。世界で一番兄が好き。


●楠瀬
 少年課の刑事

●日向真
 少年課の刑事、実は陽子と付き合っている。

●陽子
 少年課の刑事、職場では先輩だが真の恋人。

●ノイズ
 謎の声。人の世の否定的な心を集めた声とも呼ばれる。無意識意識の集合体?


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(7)ノイズ

「Xday、その日がチャンスだ。この噂の盛り上がりようじゃ、きっと誰もがそれを神々の審判だと思うさ」

 それが善意で始まるとしても、それが多くの人にとって幸せなことであっても、なにかのムーブメントが起こる時、そこにはいつか必ずノイズが混じるという。

「なーに大規模にやることはない。ちょっとだけ混ぜ込むだけでいいんだ」

 人間の性(さが)なのか、業(カルマ)なのか分からないが、そのノイズは、急激な変化が起きないようにする、人間の防御本能だという者もあった。

「奴らの希望が絶望に、信頼が疑いに変わるだけでいい。この世界にはまだまだ争いが必要なんだ。世界が発展し続けるためには争いこそが神が与えるもっとも有効な試練なんだよ」

 彼らは地下に流れる川のように、人知れず流れ、ちょっとしたトラブルで詰まり、滞留して大きくなってゆく闇そのものなのだ。
 彼らも密かに根を張り、その日を待っていた。何をしようとしているのか?その結果世界がどうなるのか?その参加者さえも知らなかった。


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作者からひとこと
このお話はブログで展開する「ライトなラノベ」という性質上一本一本が短い章に分かれています。
もし、続けて読みたい、という方は下記より御覧ください。

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