エンジェルズ・ナイト(完結) 【クリスマス限定ラノベ?】

これは 「今」 だけの物語。クリスマスの夜、何かが起こるという噂が駆け巡る。それはよいことなのか?それとも悪いことなのか?噂は噂を呼び、その日を迎える。奇跡か?破滅か?その日、貴方は誰と、何を見ますか?

それは極々近い未来。クリスマスまであと一週間をきった頃の惑星、地球にて

あとがき的なもの

 今回、この話、というかクリスマス限定ラノベという企画を思いついたのは12/18のこと。最初は特別にストーリーだとかを思いついたのではなく、クリスマス限定ってだけで書き始めました。思えば期間が一週間もない中、無謀だったかもしれません。

 おそらく、ライブドアブログの「ライトなラノベコンテスト」という企画がなければ書かれることのなかったお話だと思います。「ライトなラノベコンテスト」という、そもそもライトなノベルよりさらにライトなというコンセプト、三万字未満という想定。それらが気軽に投稿する後押しとなりました。

 確かに、振り返れば、もう少し時間があれば、この手の季節ものなどの企画ももっと盛り上げることが出来たかと思いますが、こんな機会を与えてくれたライブドア様に感謝するとともに、推敲もほとんどしなかったような稚拙な文書を読んでくれた皆様に感謝いたします。


 Happy Christmas! and Happy New Year!


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(19)僕らの望む世界

 その時、大きな爆発音とともに街中の電気が次々に消えていった。ビルのウインドウ、ネオンサインも消えた。信号も消えたが、幸い、車は動いていなかったので惨事には至らなかった。
 非常用の明かりや車のライトなど、真っ暗闇というわけではなかったが、人々は途方にくれ周りを見渡し、携帯や、スマートフォンを取り出し、情報を得ようとしていた。しかし……いずれも、カーステレオのラジオさえもつながらず、静寂があたりをつつみこんだ。

 数十秒、いや、数秒だったろうか、ぽっかりと口をあけた静寂の闇の中、人々は我先に東京の外へ出ようと動き始めた。

 その頭上を今、ゆっくりとひとつの紙飛行機が滑空していく。
 さっきからずっと空をみあげている拓哉につられ、ユウトもキキも空を見上げると、キキが手を伸ばし、紙飛行機を掴んだ。

 瞬間

 ダッーーーーーーーーーーァァァアァァアアアアアンッーーー

 今度は明らかに空が割れるような音がして、フラッシュのような光が瞬いた。
 人々は空を見上げ、ついに、その奇跡を目撃した。

 そこには光の筋がくっきりと弧を描いていた。それは一瞬で消える流星などではなく、大きく黄金の尾を天に焼きつけていた。

「な、何だあれは」
「まるでサンタクロースがソリを引いているようじゃないか」
「いいや、天使の羽のようだ」

 それは本当にサンタクロースだったのか?はたまた天使だったのか?それとも消えたと思われていた彗星のかけらだったのか、わからないまましばらくするとやがて消えてしまった。

 しかしその時、人々はひとつ同じ想いを共有していた。
 立場や目的は違えど、ここにいる自分たちは、同じ、奇跡の中にいるのだと。
 そう、この宇宙に自分は一人ぼっちじゃないのだと感じたのだ。


 次の瞬間、電気が次々に、復活し、シャンデリアのような街灯りが灯っていった。
 そして、どこからともなくクリスマスソングが流れ出す。

 We wish you a merry christmas♪
 We wish you a merry christmas♪
 私達は願う、貴方のステキなクリスマスを
 Good tidings we bring to you and your kin
 良きことを貴方に、貴方の傍らに届けよう
 We wish you a merry christmas♪
 そうして私達は願う、貴方のステキなクリスマスを


「これも拓哉がやったのか?」

 いつの間にか戻ってきた日向刑事が拓哉に尋ねた。

「バカ言え、あんなこと出来るかよ!俺がやろうとしてたのは……せいぜい……ほら、始まった。あれくらいのことさ」

 見上げれば空にたくさんの飛行船が飛び立ち、たくさんの紙飛行機が飛び立っていった。サンタ・クルーザーから渡されたブラックライトに、その紙飛行機は照らされ、幻想的な……まるで天使のようだったという。



and HAPPY New Year♪
そして、また、来年?


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(18)プレゼント

「ユウト……ユウトよね?」

 屋外の階段にギターを抱えて座る少年がいた。

「君がキキかい?」

 声に振り返ると、そこには同い年くらいの少女がいた。ふたりはともに頷くと、それ以上言葉を発することなく、しばらく並んで座った。

「見晴らしは悪いけれど……綺麗な夜だな」
「ね、それ、弾いてよ」
「悪いな。俺、弾けないんだ。持ってるだけ」
「プッ あははははは」
「わ、笑うこたーないだろ!」
「だ、だって~~~」

「お二人さん、いい気なもんですね~」

 声がして振り返ると、そこには全身真っ黒なサンタクロースの姿があった。

「も、もしかして……あんたDか?」
「さあてね……だがしかし……、ここにふたつ薬があります。私からのプレゼントだ。どちらか選ばせてやるからそれを飲みたまえ」
「な、なんでそんなことをしなくちゃならねーんだよ!」
「フッ 契約ですよ。契約。まあ、飲まないというのならいいですよ。私は貴方達の本名も住所も知っているのですからね。なーに、ふたりともとは言ってないのですよ。片方はなん効果もない栄養剤だ。片方がゆき、片方は残れる。悪い取引じゃないと思いますがね」

「わ、分かったわ。わ、私飲む」
 キキはブラックサンタの手から薬を両方もぎ取ると、蓋をあけた。
「キ、キキ何をするんだ!」
「どちらか一方って約束よ?どうせ両方共毒なんでしょうけど、約束だからね!」
 キキがそれを飲もうとすると。

 パーーーーンッ

 乾いた銃声が響いた。

「あーあ……やっちゃった。また始末書だな。日向さん」
「うるせー緊急だろ」
「サンタ……クロース……?」

 そこには日向と拓哉の姿があった。

「ち 邪魔が入ったか、またな!」

 ブラックサンタが逃げようとすると、集まっていた他のクルーザーが道を塞いだ。

「逃げるな!ブラックサンタ!いいや楠瀬!」

 ブラックサンタはガクンッとうなだれた。

「なんでです?なんでわかったんですか?俺は、あんたらの前ではバカを演じてた。だからバレるはずなんて無いのに!」
「演じてただと?お前はやっぱバカなんだよ!大馬鹿もんだ!『シェオル』はお前が潜入調査していたサークルだろ。ミイラ取りがミイラになったのか、そもそもお前が立ち上げたのか知らんがな!だが、なぜだ?なぜそんなことを」
「俺はね……つくづくイヤになったんですよ。バカな子ども達のおもりがね!」
「そんな理由で……首都高まで爆破したのか!」
「首都高?知りませんね~そんなことは」
「あ~お取り込み中のところ……」
「なんだ拓哉!お前は黙ってろ!」
「いや、俺の仲間からさっき連絡が入って、首都高のは普通に事故だったらしいですよ」
「な、なにを!ええい!とにかく、逮捕だ!逮捕!おい!拓哉!お前はそこを動くな!あとで聞くことがあるからな!」

 日向は楠瀬に手錠をかけると最寄りの交番まで歩いて行った。赤いサンタが黒いサンタを逮捕した画像も、またたくまにネットに駆け巡った。

「ええと……僕らはどうすれば……」
 ユウトが拓哉に尋ねた。
「ん?好きにすればいいじゃねーの?あ、てかさ、ちょいとそのパソコンを貸してくれるか?あと始末はしておかなくちゃだからな日向さんも相変わらず抜けてるからなあ」
 キキから、パソコンを借りると、拓哉は『シェオル』の掲示板に打ち込んだ。

--今夜、空をみて考えよう。今のこと、明日のこと、自分のことを、再び--

「これでよしっと。じゃな、おっと、お前らにもこれをやるよ。あともう少ししたら、空を見上げるといい」

 ダッガーーーーーーーン!………

 その時、大きな爆発音がした。


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作者からひとこと
このお話はブログで展開する「ライトなラノベ」という性質上一本一本が短い章に分かれています。
もし、続けて読みたい、という方は下記より御覧ください。

最初から読む

ライトなラノベコンテスト

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